榎本殖民団メキシコ移住125周年

Conmemoración del 125 aniversario de la Migración Japonesa a México

 今年は、「榎本殖民団」が日本から初めてメキシコに移住してから125年目にあたります。この殖民団は、当時(明治政府)の外務大臣で殖民推進論者たった榎本武揚か組織して派遣したものです。
 その頃の日本は人口過多や貧困への対策として、1868年のハワイ移民を皮切りに、アメリカ、カナダへの海外移住を推進していました。メキシコとはすでに日墨修好通商条約(1888年)を結んでいたこともあり、榎本大臣は農業で大きな利益を上げられるであろうという幻想のもと、ラテンアメリカでは初めての開拓移民をメキシコに派遣したいと考えていました。チアハス州のエスクイントラという村がコーヒー栽培に最も適した土地であるとの事前調査報告を受け、メキシコ政府と土地の交渉を進めました。しかしながら、いざ一団が現地に到着してみると、想定外の困難が待ち受けていました。
 1897年3月24日、全国から応募した36人の青年が横浜港を出発し、約2ヶ月後の5月19日、タパチュラのサン・ベニート港(現プエルト・マデロ)に到着しました。当初計画されていたコーヒー農園開墾プロジェクトは、想定外の雨季、マラリア感染、コーヒー栽培には適さない土地の条件、そして何よりも資金不足によって1年足らずで破綻し、殖民団の離散を 招きます。しかしながら、組合(のちの日墨協働会社)やアメリカ大陸初の日 本人学校(アウロラ小学校)の設立、初のスペイン語・日本語辞典(『西日 辞典』)の編纂を成し遂げたほか、インフラ整備や教育の普及、医療の提 供など、地域社会の利益・発展にも少なからぬ貢献を果たしました。
 彼らの新天地チアパスでの生活は試練の連続で、挫折感を伴うスタートでしたが、気概と希望を失わずにメキシコの地で働き続け、各地で模 範的な移住者として、メキシコの人々の尊敬と信頼を得るに至りました。
 そんな榎本殖民団の移住125周年を迎える今年、メキシコ日系社会の 礎を築いてくれた彼らの努力と献身を記念し、本誌7ページに記載されている一連の記念イベントを順次開催しています。
 また、この記念事業の実施にあたり組織委員会を発足、名誉会長に在メキシコ日本国大使館の福嶌教輝特命全権大使、会長に日墨協会の早瀬英男現会長、幹事に在メキシコ日本国大使館の伊坂剛参事官、そして委員には在レオン総領事館、JICA、国際交流基金、日墨協会の理事らが就任しました。

榎本殖民団メキシコ移住125周年

  日時/Fecha イベント名 / EVENTOS 主催者/ORGANIZADOR
1 6月5日
Junio 5
第17回世界子どもハイクコンテスト・メキシコ大会 表彰式及び 作品展示
Exposición y Premiación de los niños mexicanos participados en el 17o. Concurso de Haiku para Niños del Mundo
JAL財団
JAL Foundation
2 7月30日〜8月6日
Julio 30 a Agosto 6
VIBRA JOVEN 2022 "DESAFÍA AL FUTURO, VIVE EL AHORA" 日墨協会⻘年部有志
Volunarios de OJN
3 9月23日
Septiembre 23
第45回開院記念式典
45o Aniversario de la Fundación del Liceo Mexicano Japonés.
日本メキシコ学院
LICEO MEXICANO JAPOÉS
4 10月28日〜30日
Octubre 28 al 30
秋祭り(名古屋市協賛)
Akimatsuri 2022 (Festival de Otoño)
日墨協会 AMJ